2016•11——2017•2 1、【演講】松原正毅:遊牧研究と地域研究 時 間:2016年11月18日(週五)14:00-17:30 主 講 人:松原正毅(国立民族学博物館名誉教授、坂の上の雲ミュージアム館長) 地 點:明治大学駿河台キャンパスグローバルフロント1階ホール 主辦單位:明治大学文学部「近現代ユーラシアにおける遊牧社会の変容にみる新生活原理の構築」 連結網址:http://www.asnet.u-tokyo.ac.jp/?q=node/8209 內容簡介 このたび、ユーラシア遊牧研究を長期にわたり牽引してこられた松原正毅先生(国立民族学博物館名誉教授、坂の上の雲ミュージアム館長)の講演会を下記のとおり開催いたします。人類学、歴史学、地域研究など広範な学問領域に関わる松原先生の最新のご研究と、遊牧研究および地域研究の展望とをお聞きし、みなさまと議論したく存じます。多くのみなさまのご出席をお待ちしております。 14:05-15:35 演講 15:50-16:50 問題討論 2、【演講會】順天時報の会.2016年度第5回例会 時 間:2016年12月18日(週日)16:00-18:00 主 講 人:殷晴(東京大学大学院) 地 點:東洋文庫(東京都新宿区戸塚町1丁目辦104) 主辦單位:順天時報の会 聯 絡 人:E-mail: aoyamah@asia-u.ac.jp 內容簡介 邸報と清朝の情報伝達(殷晴,東京大学大学院) 評論人:阿部由美子(東京大学大学院) ※初めて参加される方は事前に下記の連絡先までご一報ください。 順天時報の会 世話人:青山治世・関智英 連絡先:aoyamah@asia-u.ac.jp 3、【展覽】大唐王朝展 時 間:2016年9月17日至12月11日 地 點:白鶴美術館(神戸市東灘区住吉山手6丁目1-1) 主辦單位:白鶴美術館 聯 絡 人:Tel: 078-851-6001 連結網址:http://www.hakutsuru-museum.org/exhibition/2016autumn/main.shtml 內容簡介 7世紀から10世紀にかけて中国に一大帝国を築いた唐。その影響は、広く日本や朝鮮半島といった東アジア地域だけでなく、中央アジア、中近東、果てはヨーロッパにまで及んだといわれます。唐時代には、巨大な統治力と東西交易をはじめとした政策による経済力を背景とし、他地域の要素を柔軟に受け入れ、消化することによって前後に類をみない独自の文化が開花しました。唐文化の様相を現代の我々に示してくれるものが美術品です。それらには極めて精緻な作行きがみられ、その集積によって圧倒的な迫力が織り成されています。当白鶴美術館には、銀器や鏡、陶磁器など諸分野に亘り、唐時代作品の本質を端的に表す優品が多く所蔵されております。 本展覧会では、白鶴美術館が誇る、地域と時代を越えて人々を魅了し続けてきた唐王朝の美術品を大公開します。 開放時間為每日10:00-16:30 休館日:毎週月曜日 但し、9月19日(月・祝)・10月10日(月・祝)は開館し、 9月20日(火)、10月11日(火)を休館します。 4、【展覽】呉越国——西湖に育まれた文化の精粋 時 間:2016年10月18日至11月13日 地 點:大河文華館(奈良市学園南1-11-6) 主辦單位:大河文華館、毎日新聞社 聯 絡 人:Tel: 0742-45-0544 連結網址:http://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/exhibition/goetsukoku.html 內容簡介 呉越国は907-978年に、現在の中国浙江省杭州市を中心とした領土を納めた国です。呉越国が位置した江南は資源に恵まれた豊かな土地で、新石器時代には玉文化を誇る良渚文化、漢時代以降は青磁の焼造で名高い越州窯があるなど、古来、高い文化と工芸技術が育まれてきました。唐時代になると、明州(現・寧波市)は日本を含めて海外からの船が往来する海港都市となり、海上交通の要衝となります。また、鄮県阿育王寺(現・寧波市鄞州区)は江南における釈迦・舎利信仰の中心地であり、唐の天宝三年(744)に鑑真が日本への渡航中に立ち寄り、地中から感得されたという阿育王塔を目にしています。さらに、天台仏教の聖地である天台山があり、江南は仏教の盛んな地域でした。呉越国を治めた銭氏一族はこのような特色を受け継いでいます。また同時に、海外である日本や朝鮮半島の高麗、中国北方の遼などと仏教を介した交流を行い、東アジアにおける文化交流に大きな役割を果たしました。 本展では、中国浙江省博物館及び臨安市文物館から美術的・学術的に高い価値を持つ仏塔と王族墓からの出土品を中心とした多くの作品を拝借し、日本に伝わる呉越国関連作品とともに展示します。日本で呉越国に焦点をあてる初めての展覧会であり、その文化・芸術の東アジアにおける位置付けを試みます。 【展覽相關活動】 『シンポジウム』 10月8日11:00-16:30・講堂 テーマ「呉越国文化の位置づけ」 『講演会』 10月30日14:00・講堂 呉越国の絵画と日本(増記隆介,神戸大学大学院人文学研究科准教授) 『日曜美術講座』 11月6日14:00・講堂 杭州を中心にみる呉越国文化の魅力(瀧朝子,大和文華館学芸部係長) 開放時間為每日10:00-17:00 休館日:月曜日(月曜日が休日の場合は次の平日) 5、【演講】宮本一夫:中國冶鐵技術傳播和發展 時 間:2016年11月11日(週五)15:00-17:00 主 講 人:宮本一夫(日本九州大學人文社會科學研究院教授) 地 點:中研院史語所研究大樓二樓演講廳(臺北市南港區研究院路二段128號) 主辦單位:中央研究院史語所考古學門 連結網址:http://www2.ihp.sinica.edu.tw/bulletinDetail.php?TM=1&M=1&C=1&bid=883 內容簡介 主持人:李匡悌(中央研究院史語所研究員兼考古學門召集人) 本演講以中文進行,無需事先報名。 6、【演講】松原正毅:遊牧研究と地域研究 時 間:2016年11月18日(週五)14:00-17:30 主 講 人:松原正毅(国立民族学博物館名誉教授、坂の上の雲ミュージアム館長) 地 點:明治大学駿河台キャンパスグローバルフロント1階ホール 主辦單位:明治大学文学部「近現代ユーラシアにおける遊牧社会の変容にみる新生活原理の構築」 連結網址:http://www.asnet.u-tokyo.ac.jp/?q=node/8209 內容簡介 このたび、ユーラシア遊牧研究を長期にわたり牽引してこられた松原正毅先生(国立民族学博物館名誉教授、坂の上の雲ミュージアム館長)の講演会を下記のとおり開催いたします。人類学、歴史学、地域研究など広範な学問領域に関わる松原先生の最新のご研究と、遊牧研究および地域研究の展望とをお聞きし、みなさまと議論したく存じます。多くのみなさまのご出席をお待ちしております。 14:05-15:35 演講 15:50-16:50 問題討論 17:30 懇談會 ※なお準備の都合上、ご出席をご希望の方は、11月16日までに江川ひかり宛(egawahi@meiji.ac.jp)にご一報いただければ幸いです。(本演講需事先報名) 7、【演講會】第31回日中戦争史研究会 時 間:2016年11月5日(週六)13:00-16:30 地 點:愛知大學名古屋校舍厚生棟3階W32會議室(名古屋市中村区平池町4-60-6) 主辦單位:NIHU愛知大学拠点/社会・歴史的アプローチ班 聯 絡 人:愛知大学国際中国学研究センター,E-mail: iccs-sympo@ml.aichi-u.ac.jp 連結網址:http://china-waseda.jp/aichi/blog/20161105/ 內容簡介 【第31回日中戦争史研究会】 満洲国と天皇制の考察(吉田曠二,歴史家兼ジャーナリスト,同志社大学新島研究会第一部門研究員) 「書評:馬場毅編『多角的視点から見た日中戦争--政治・経済・軍事・文化・民族の相克』」(島田大輔,早稲田大学招聘研究員) 本演講毋須事先報名,免費入場 8、【演講會】王堯、閻連科:文学と社会〜現代中国の現場から 時 間:2016年11月6日(週日)16:00-18:30 主 講 人:王堯(文学評論家,蘇州大学教授)、閻連科(作家,中国人民大学教授) 地 點:東京大学教養学部駒場キャンパス21KOMCEE(コムシー)WEST地下1階レクチャーホール 主辦單位:東京大学TLP(トライリンガルプログラム)、比較文学比較文化研究室 聯 絡 人:E-mail: iton@fusehime.c.u-tokyo.ac.jp 連結網址:http://www.asnet.u-tokyo.ac.jp/en?q=node/8240 內容簡介 16:00-18:00 演講 講師1:王堯(文学評論家、蘇州大学教授) 講師2:閻連科(作家、中国人民大学教授) 18:00-18:30 問題討論 主持人:伊藤徳也(東京大学) 翻譯:秋山珠子(立教大学) 協力:阿古智子(東京大学) 講者簡介 閻連科(作家、中国人民大学教授) 2014年フランツ・カフカ賞受賞。2015年twitter文学賞受賞(『愉楽』谷川毅訳)。2016年国際ブッカー賞最終候補(『四書』)。『丁荘の夢〜中国エイズ村奇談』、『人民に奉仕する』は中国国内で発禁処分、『愉楽』再版制限、『四書』(未邦訳)は中国国内で出版できず台湾で出版。中国の作家として、莫言に続くノーベル文学賞候補と目されている。2012年、領土問題で日中関係が緊張した際、ナショナリズムのために文学的交流が断絶することを憂えた村上春樹のエッセイに同調するエッセイを発表した。 9、【演講會】順天時報の会.2016年度第5回例会 時 間:2016年12月18日(週日)16:00-18:00 主 講 人:殷晴(東京大学大学院) 地 點:東洋文庫(東京都新宿区戸塚町1丁目辦104) 主辦單位:順天時報の会 聯 絡 人:E-mail: aoyamah@asia-u.ac.jp 內容簡介 邸報と清朝の情報伝達(殷晴,東京大学大学院) 評論人:阿部由美子(東京大学大学院) ※ 初めて参加される方は事前に下記の連絡先までご一報ください。 ※ 順天時報の会 世話人:青山治世・関智英 連絡先:aoyamah@asia-u.ac.jp 10、【演講會】神奈川大學非文字資料研究センター海外神社班研究会 時 間:2016年12月17日(週日)13:30-17:40 主 講 人:詳見內容 地 點 神奈川大学横浜キャンパス1号館301会議室(神奈川県横浜市神奈川区六角橋3-27-1) 主辦單位:神奈川大學非文字資料研究センター海外神社班 聯 絡 人:Tel: 045-481-5661#3532 連結網址:http://himoji.kanagawa-u.ac.jp/news/ 內容簡介 フイリピンの神社跡地調査報告(稲宮康人,研究協力者) 旧満州開拓団神社跡地調査報告(津田良樹,研究員) 私の研究課題──満蒙開拓と宗教(レリンソン・エドワール,研究協力者、フランス国立東洋言語文化研究所・日本研究センター博士課程) 来季からの共同研究について──海外神社の〈前史〉、琉球・沖縄の神社(後田多敦,研究員) 11、【演講會】順天時報の会.2016年度第5回例会 時 間:2016年12月18日(週日)16:00-18:00 主 講 人:殷晴(東京大学大学院) 地 點:東洋文庫(東京都新宿区戸塚町1丁目辦104) 主辦單位:順天時報の会 聯 絡 人:E-mail: aoyamah@asia-u.ac.jp 內容簡介 邸報と清朝の情報伝達(殷晴,東京大学大学院) 評論人:阿部由美子(東京大学大学院) ※ 初めて参加される方は事前に下記の連絡先までご一報ください。 ※ 順天時報の会 世話人:青山治世・関智英 連絡先:aoyamah@asia-u.ac.jp 12、【演講】王勇:清末変法思想における新と旧 時 間:2017年1月5日(週四)14:55-16:40 主 講 人:王勇(法学博士、政治学PD、大連海事大学法学院副教授、中国法理学研究会理事、中国立法学研究会理事、東京大学東洋文化研究所訪問研究員) 地 點:東京大学東洋文化研究所3階大会議室(本郷7丁目3-1) 主辦單位:東京大学東洋文化研究所 「中国法研究における固有法史研究、近代法史研究及び現代法研究の総合の試み」研究班 聯 絡 人:高見澤磨教授,E-mail: takamiza@ioc.u-tokyo.ac.jp 連結網址:http://www.asnet.dir.u-tokyo.ac.jp/?q=node/8281 內容簡介 従来の清末変法史研究においては、類型的な歴史叙述に重きが置かれてきた。このことが法思想や政治思想における伝統的政教観念の構造的意義を見えにくくしてきた。観念的変容の観点から見ると、器物→制度→文化への変化にひそむ華夷思想の強い影響が見られる。この影響は変革・保守双方が伝統の中から自己を正当化する主張に現れている。「信古」によって「歴史的記憶」が示されて法制度及び政治制度に強い影響を与えている。西洋由来の知識と古学の伝統が出会う中で清末変法は極めて複雑な観念の系譜を示している。 【附記】 参加申し込み不要。その他の問い合わせは、高見澤takamiza@ioc.u-tokyo.ac.jpにお願いします)。 なお報告・討論は中国語で行います。通訳はつきません。 13、【演講】揖斐高:「勢」と「機」の歴史哲学――頼山陽における歴史と文学をつなぐものその表象の変遷と国による変化 時 間:2017年1月13日(週五)16:30-18:00 主 講 人:揖斐高(成蹊大学名誉教授) 地 點:慶應義塾大学三田キャンパス南校舍447教室(東京都港区三田2-15-45) 主辦單位:日本漢文学プロジェクト共同研究グループ 聯 絡 人:慶應義塾大学合山林太郎研究室,Tel: 03-5418-6437 連結網址:http://nihonkanbungaku.blogspot.tw/2016/12/blog-post_13.html 14、【演講】第32回日中戦争史研究会 時 間:2017年1月21日(週六)13:00-16:30 地 點:愛知大学名古屋校舎厚生棟3階W32会議室(名古屋市中村区平池町4-60-6) 主辦單位:現代中国地域研究愛知大学拠点 聯 絡 人:愛知大学国際中国学研究センター,E-mail: iccs-sympo@ml.aichi-u.ac.jp 連結網址 http://china-waseda.jp/aichi/blog/20170121/ 內容簡介 「抗戦建国記念日」再考:戦時重慶国民政府による「建国の語り」との関わりについて)鄒燦,大阪大学特任助教) 日中戦争期の満洲における糧食流通と華商(大野太幹,国立公文書館アジア歴史資料センター研究員) 15、国際シンポジウム「彝語の世界:言語・文字とその世界観」 時 間:2017年2月10日(週五)10:45-17:15 地 點:獨協大学A棟A306(埼玉縣草加市学園町1番1号) 主辦單位:獨協大学国際共同研究「民族伝統文化と多言語教育の実践研究:中国少数民族彝族についての国際共同研究」、獨協大学国際教養学部、エスニック・マイノリティ研究会 連結網址:http://www.dokkyo.ac.jp/event/detail/id/7122/publish/1/ 內容簡介 10:50-12:15 【第一部 彝族の社会と文化】 ●彝族の歴史と社会についての解説 花の歌謡:彝族文化と日本文化(飯島一彦,獨協大学国際教養学部教授) 母語教育としての彝語教育(浅山佳郎,獨協大学国際教養学部教授) 関連研究紹介(関根謙,慶應義塾大学文学部教授) 13:15-15:00 【第二部 古彝文経典の世界】 ●古彝文経典についての解説 彝語創作と経典の世界(羅慶春,西南民族大学彝学学部学部長.教授) 儀礼実践者による経典についての解説(吉克.依楚,伝統文化継承者) 訳者による『生育経』の解説(立克.達曲,伝統文化継承者) 調査成果報告:『生育経』の世界(松岡格,獨協大学国際教養学部准教授) 15:20-17:15 【第三部 マイノリティの伝統的知識:比較と討論】 ○比較事例:南米アマゾン、森の民(解説:佐藤勘治,獨協大学国際教養学部教授)、(報告:Juan Carlos Galeano,フロリダ州立大学教授) パネルディスカッション:彝族の伝統的知識をどう見るか(羅慶春、Juan Carlos Galeano、飯島一彦、佐藤勘治、松岡格) 16、【演講會】第21回ゾミア研究会 時 間:2017年2月3日(週五)13:00-18:00 地 點:京都大学東南アジア研究所稲盛財団記念館2階東南亭(京都市左京区吉田下阿達町46) 主辦單位:京都大学東南アジア研究所 連結網址:http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/event/20170207/ 內容簡介 13:05-14:35 十八世紀のベトナム黎鄭政権と諒山地域——藩臣集団の祖先移住伝承に関する分析を中心に(吉川和希,大阪大学文学研究科博士後期課程) 14:45-16:15 20世紀以降の中越国境——ベトナム東北山間部ランソン省のタイー・ヌンと中国(伊藤正子,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科) 16:25-17:55 ベトナム、ターイの始祖による盆地開拓の伝承(樫永真佐夫,国立民族学博物館、総合研究大学院大学) 【要旨】 吉川和希「十八世紀のベトナム黎鄭政権と諒山地域——藩臣集団の祖先移住伝承に関する分析を中心に」 18世紀は北部ベトナムにとって「危機の時代」であった。17世紀末以降多くの農民が流亡化したことにより、1740年代には北部ベトナム全域が動乱に巻き込まれた。また18世紀は東南アジアの「華人の世紀」に当たり、北部ベトナムでも大量の華人が山岳地帯に流入して鉱山開発が進められたが、同時に限られた資源をめぐって激しい競争が展開されていたと思われる。ただしかかる時代における各地域の実情を多面的に描き出す作業は近年ようやく緒についたばかりであり、山岳地帯の在地首長たちの対応についても、史料の制約もありこれまで殆ど考察されたことはなかった。そこで本発表では、山岳地帯の中でも諒山地域(現在のランソン省)に焦点を当てて在地首長の動向を考察する。 諒山地域は居住民の大半が非キン族であり、当該期には藩臣とよばれる首長を通してベトナム王朝による間接統治がおこなわれていた。諒山地域を含むベトナム東北(越北)地域は、同じ山岳地帯の西北地域などと比べれば、歴史的にベトナム王朝との結びつきが強かったとされる。そしてその証拠の一つに諒山地域の藩臣集団が、自身の始祖はキン族で15世紀初頭の黎朝創建に貢献したという伝承を持ち、「キン族起源」を権威確立の源泉としていることが指摘されている。しかし従前の研究では史料の制約もあり、かかる伝承がいかなる歴史的背景のもとで創作され、またいかに利用されてきたのかという問題は十分に議論されてこなかった。本発表では現地などで収集した家譜や公文書の写しなどを使用して祖先移住伝承に関するこれらの問題に取り組むことで、諒山地域の在地首長が18世紀の「危機の時代」に如何に対応しようとしたのかを考察したい。 伊藤正子「20世紀以降の中越国境——ベトナム東北山間部ランソン省のタイー・ヌンと中国」 20世紀初頭から現在まで、ランソン省タンラン村のタイー、ヌンが、国境を越えた中国側に居住する同系民族の壮との関係をどのように変容させてきたのかについて明らかにする。中越両政治権力(植民地時代を含めて)間の関係が、国境を挟んだ人々の関係に大きな影響を及ぼすと同時に、地元の人々の必要に迫られた様々な国境を超えた動きが、政治権力間関係のあり方に影響を与えたこともあった。また、国家関係を無視したり政策をすり抜けたりする地元の動きは現在も続いている。主として拙著『エスニシティ<創生>と国民国家ベトナム-中越国境地域タイー族・ヌン族の近代』(2003年、三元社)に基づくが、21世紀に入って、サトウキビ収穫時期に見られるようになった、ベトナムから広西壮族自治区への大規模出稼ぎ(密出入国)についても紹介する。 樫永真佐夫「ベトナム、ターイの始祖による盆地開拓の伝承」 1945年までマイチャウを統治していたターイ(白タイ)首領ハ・コン一族が継承してきた、始祖らによるマイチャウの盆地への入植と開拓の伝承を取り扱う。その伝承のなかで、地勢ごとに住み分けている民族館の関係がどのように描かれているのかを、ソンラーを中心とするターイ(黒タイ)首領ロ・カム一族らの始祖ラン・チュオンによる移住開拓伝承とも比較し、明らかにする。 (责任编辑:admin) |